「最近、うちの子ごはんを残すことが増えたかも…」
「好きだったごはんに興味を示さなくなって心配…」
そんな風に感じること、ありませんか?
年齢を重ねたわんちゃんは、
食の好みや体調に少しずつ変化があらわれることがあります。
シニア犬がごはんを食べないときの
原因や対処法を、分かりやすくご紹介します。
「どうしたらいいの?」と不安になったときの
ヒントになれたらうれしいです。
老犬が1日に必要なカロリーってどれくらい?
シニア期になると、
運動量が減ったり
寝ている時間が長くなったりして、
若い頃よりたくさんのカロリーを必要としなくなります。
「じゃあ、どれくらいの量がちょうどいいの?」
と迷ってしまうこともありますよね。
ざっくりの目安としては、
以下の計算式が参考になります。
1日の必要カロリー(kcal)
=(体重kg × 30 + 70) × 活動量に合わせた数値
▶ 活動量の目安
- おうち中心でのんびり過ごす子:1.2~1.4
- お散歩もするけどそこまで活発じゃない子:1.4~1.6
たとえば…
体重5kgで室内メインのシニア犬の場合
(5×30+70)×1.3 = 約325kcal/日
これはあくまで目安なので、
体格や年齢
病気の有無
太り気味かどうかによっても調整が必要です。
「ちょっと太ってきたかも?」
「最近あまり動かないな…」
など気になることがあれば、
かかりつけの獣医さんに相談してみるのが安心です!
老犬の1日に必要な水分量は?
シニア期のわんちゃんは
体温調節がうまくできなくなったり、
腎臓の働きが少しずつ弱ってきたりします。
そのため、しっかり水分をとることが
とても大切になります。
水分量の目安は?
体重1kgあたり、1日50〜60mlが目安です。
たとえば…
▶ 体重5kgの子なら、1日あたり250〜300mlくらい。
水分が足りなくなりやすいときは?
- ドライフード中心のごはん
- 夏の暑い日や冬の暖房でお部屋が乾燥しているとき
- お水をあまり飲まない性格の子
そんな時は、
ちょっとした工夫で自然に
水分をとれるようにしてあげるのがコツです♪
水分補給の工夫いろいろ
- ドライフードにぬるま湯をかけてふやかす
- ウェットフードを少し混ぜる
- 犬用スープやゼリーを取り入れてみる
- こまめに新しいお水に替えてあげる
「なんかあまり飲まないな…」と思ったら、
こうした方法を試してみてくださいね!
水分不足は体調をくずす原因にもなるので、
できるだけ自然に飲める工夫をしてあげましょう。
気になる症状があれば
獣医さんに相談もおすすめです。
老犬がごはんを食べないときに考えられる理由
「昨日まで普通に食べてたのに…」
そんなふうに急にごはんを残しはじめると、
やっぱり不安になりますよね。
実は、シニア犬がごはんを食べなくなる理由には
いくつかよくあるパターンがあります。
「食べムラかな?」と思って見逃さず、
小さなサインにも目を向けてみることが大切です。
よくある原因はこちら
- 食欲の低下(加齢によるもの)
- 歯や口のトラブル(歯周病・口内炎など)
- においや味に対する反応の変化(嗅覚・味覚の低下)
- 体調不良や持病(胃腸トラブル・内臓疾患など)
- ストレスや環境の変化
「ただの気まぐれかな?」と思っていても、
体のSOSサインかもしれません。
数日続くようなら、獣医さんへの相談を。
① 食欲の低下(加齢によるもの)
年齢を重ねると、
運動量が減ったり、代謝も落ちてくるため、
自然と「お腹が空かない」ことが増えてきます。
特に暑い日や雨で運動できなかった日などは、
そのぶんごはんの量が減ることも。
こんなサインがあるかも:
- ごはんの前でもあまりテンションが上がらない
- 途中で食べるのをやめてしまう
- お皿の前に行っても見ているだけ
② 歯や口のトラブル
シニア期になると、
歯ぐきや歯のトラブルも増えてきます。
歯周病や口内炎があると、
ごはんを食べたくても
痛くて食べられないということも…。
こんなサインがあったら要注意:
- カリカリを噛まずに吐き出す
- やわらかい物ばかり選ぶ
- ごはんを前にして口をつけない
→ この場合は、早めに動物病院で診てもらうのがおすすめです。
③ においや味に反応しにくくなっている
嗅覚や味覚も
年齢とともに少しずつ鈍くなっていきます。
いつものごはんでも、においが感じにくくて
「おいしそうじゃない」と思っているのかも。
試してみたい工夫:
- ごはんにぬるま湯をかけて香りを引き出す
- 少しだけウェットフードやスープをトッピングする
- 食べ慣れたものを少しアレンジする
④ 体調不良や持病の影響
胃腸の調子が悪い日や、
肝臓・腎臓などの内臓の不調があると
食欲が落ちることがあります。
特にシニア犬は、
慢性的な病気が隠れていることもあるので
注意が必要です。
こんな変化があれば注意:
- ごはん以外でも元気がない
- 吐いたり、便がゆるい
- お水ばかり飲んでいる、あるいは逆に飲まない
→ こうした症状があるときは、
自己判断せず病院で診てもらいましょう。
⑤ ストレスや環境の変化
引っ越し、家族の変化、家具の配置換え…
わんちゃんにとってはちょっとした変化でも
ストレスになることがあります。
「いつもと違う」に敏感な子ほど
ごはんを食べなくなることがあります。
思い当たることありませんか?:
- ごはんの場所が変わった
- 食べる時間がバラバラ
- 新しいフードに急に切り替えた
→ 安心できる環境やいつものリズムを整えることが、心のケアにもなります。
「わがまま」ではなく、SOSかもしれません
「今日は気分じゃないのかな?」
と思ってしまいがちですが、
食欲の変化は身体からの
小さなSOSかもしれません。
● 数日続く
● 明らかに元気がない
● 他の症状(吐く・下痢・震えるなど)がある
こんなときは
迷わず獣医さんに相談してくださいね。
ごはんは食べないのに、おやつは食べるのはなぜ?
「ごはんは全然食べないのに、おやつを出したら急に元気に…!」
そんな場面、思い当たる飼い主さんも
多いのではないでしょうか?
よくあることなんですが
そこにはちゃんと理由があるんです。
よくある理由①:おやつの方が香りが強くて“そそられる”
シニア犬は嗅覚や味覚が
少しずつ鈍くなってくるので、
ドライフードなど香りが弱めのごはんに
気づきにくくなっていることもあります。
例えば…
- フードはスルーしていたのに、ジャーキーの袋を開けたら急にソワソワ
- 湯気が立ったあたたかいものには反応がいい
→ 香りを強くするために、ぬるま湯やスープをかける工夫がおすすめ!
よくある理由②:ちょっぴり“わがまま”に(好き嫌い)
年をとると、これまで以上に
「自分の好み」がはっきりしてくることもあります。
特に、おやつの味や食感を覚えてしまった子は
ごはんに見向きしなくなることも…。
例えば…
- 「ごはんを食べないから」とおやつばかりあげてしまっていた
- やわらかくて味の濃いものを欲しがるようになった
→ つい甘やかしたくなる気持ちは分かりますが、
おやつの量はコントロールを。
「ごはんがメイン」
というリズムを作ることが大切です
よくある理由③:ごはんに飽きてしまった
同じフードがずっと続いていると、
「またこれか…」と飽きてしまう子もいます。
人間でも毎日同じメニューだと
ちょっとテンション下がりますよね。
策としては…
- 週に1〜2回、トッピングで変化をつけてみる(茹でた野菜やササミなど)
- フードを温めて香りを引き立てるのも◎
よくある理由④:ごはんが硬くて食べづらい
シニア犬になると、歯がぐらついていたり
噛む力が弱くなっていたりすることも。
おやつはやわらかいものが多いので、
そっちは食べられるけど
カリカリはつらい…ということもあります。
こんな時は…
- カリカリフードをふやかす
- ウェットフードやペースト状のものを取り入れる
- 歯や口内に痛みがないか、動物病院でチェックもおすすめです
ごはんを”食べたくなる工夫”を少しずつ!
おやつは食べるのにごはんは…というときは
「食べられるもの=ヒント」と考えてみてください。
- 好きな食材を少しだけトッピングしてみる
- ごはんの香りを強くして食欲を刺激してみる
- お皿や食べる場所、時間を少し変えてみるのも手
それでも数日ごはんを食べない日が続いたら、
体調の変化が原因かもしれません。
「気になるな…」と思ったら、
早めに獣医さんへ相談してみてくださいね。
食べないときの対処法
「ごはんだよ~」って呼んでもそっぽを向かれると
ちょっとショックですよね…。
でも、焦って叱ったり
無理に食べさせようとするのは
逆効果になることもあります。
大切なのは、“今のその子に合った食べ方”を見つけてあげること。
まずは、以下のようなちょっとした工夫から試してみてください。
① ごはんにぬるま湯をかけて香りアップ!
シニア犬は嗅覚が弱くなるため、
ドライフードの香りに気づきにくくなっていることも。
ぬるま湯(40℃前後)を少しかけて
香りを立たせてあげると、
食欲が戻ることがあります。
ポイント:
- 湯気で香りがふわっと立ち、食欲を刺激
- 水分補給にもなるので一石二鳥!
② ウェットフードやスープを少しトッピング
大好きなおやつやウェットタイプのフードを
少しだけトッピングしてあげるのも◎
「おいしい匂い」に引き寄せられて
思わずパクッと食べる子も多いです。
トッピング例:
- 犬用のチキンスープや無塩だし
- 少量のゆでササミや温野菜(かぼちゃ・にんじんなど)
- 市販のウェットタイプフードやペースト
※あげすぎには注意!あくまで「風味づけ」に
③ やわらかくしたり、小さくカットして食べやすく
歯や口のトラブルで食べにくくなっている場合は、
ごはんをふやかしたり、
やわらかい食材に切り替えたりすると
食べやすくなります。
こんな方法も:
- ドライフードをぬるま湯やスープでふやかす
- いつものごはんをペースト状にしてみる
- 手作りごはんに切り替える場合は、栄養バランスに注意!
④ 食べる環境を見直す
わんちゃんは意外とデリケートな性格。
周りがうるさい
他のペットが気になる
器が気に入らない…
そんな理由で食べない子も。
環境チェック:
- 静かで落ち着ける場所でごはんを出す
- 滑らない食器、食べやすい高さの台を使ってみる
- 飼い主さんの近くで安心して食べられる場所に変えてみる
⑤ 食事時間をその子に合わせる
年齢を重ねると、
体内時計や食欲のリズムが変わることも。
「朝は食べないけど、夕方なら食べる」など
時間によって食べやすいタイミングがあります。
ポイント:
- 一気に食べられない子は、回数を分けるのも◎
- 「食べる時間」よりも「食べられる時間」に合わせてみる
それでも食べないときは…
数日続けて食べない
元気がない
水も飲まないなど
いつもと様子が違うと感じたら
体調の変化が原因のこともあります。
こんなときはすぐに受診を:
- 急に食欲が落ちている
- 吐いたり下痢をしている
- ぐったりしている、反応が鈍い
早めの受診で原因がはっきりすれば
適切なケアもしやすくなります。
まとめ ~ゆっくりでも、一緒に“ごはんの時間”を楽しもう~
シニア犬の「食べない」には、
きっと理由があります。
「なんで食べないの?」ではなく
「どうしたら食べられるかな?」と考えることで、
わんちゃんとの時間が
もっとあたたかくなるはずです。
その子のペースに合わせて、
無理なく
やさしく
一緒に食べる楽しさを取り戻していきましょうね♪